訪問ヘルパー「最後の送り出し」
「え?私が最後のサービスですか?」
「〇〇宅と〇〇宅に行ってくれたら
私が行ってもいいんだけど」と上司。
「わかりました・・・行きます。」
今まではデイサービスの送り出しで訪問。
サービス内容は
起床・更衣介助・トイレ介助・食事介助(朝食)
服薬介助・口腔ケア・髭剃り・歩行介助等で1時間。
・・・でも、それだけでは終わらない。
リハビリパンツの交換や、失禁の掃除、
嘔吐の対処、その時その時に合わせた対応が
当然ながら求められた。
多い時は週3回を担当。
毎回、何が起きるか全く予測不能で・・・
(上司は「わたしはもう何が起きても驚かない!」と。)
精神的な負担も大きく、肉体的にもしんどかった。
ヘルパーでこの状態。ご家族は・・・「限界」
何度も「ノイローゼになりそう」と泣かれ
ただただ黙ってお話を聞くことしか出来なかった。
入院が決まった。
最後のサービスは入院されるご利用者様の
送り出し。車に乗って頂くまで。
「もうちっとあっち(ベッド)でねたい」
自宅での最後の言葉。
きっと、デイサービスじゃない、と感じていらした。
前の晩は何も食べなかった、と家族から。
この日の朝食は「お寿司」
ぐるぐると視線を動かし「我が家」を
目に焼き付けているようだった。
何をどう感じていたのかは・・・本人しか
わからない。本人も・・・わからない。
「いってらっしゃい」
その他に言葉が見つからなかった。
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